カードローンやクレジットカードのキャッシングで適用される利率は法律で制限されています。

この制限を超えた分は支払いの必要がなく、返還請求をすれば取り戻すことも可能です。

これがいわゆる「過払い金返還請求」なのですが、手続きにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

実は、ケースバイケースで過払い金を取り戻すのにかかる時間は異なります。

例えば、スムーズに和解が成立しなかった場合は訴訟になるため、通常よりも時間がかかるのです。

この記事では、過払い金の返還請求にどれくらいの期間がかかるのかについて説明していきます。

過払い金が発生する取引期間とは

過払い金は払い過ぎていた利息を取り戻すための手続きですが、すべての方に過払い金が生じているとは限らず、対象となる取引期間があるのです。

法定利息の範囲内で融資を受けていたのなら、そもそも過払い金は発生していません。

正確には過去の取引履歴を調べる必要があるものの、過払い金発生の1つの目安になるのは「2010年以前から借り入れがあるか」です。

以前まではグレーゾーン金利が存在しており、利息制限法は超えるものの、出資法に違反しない金利がありました。

しかし、2010年に改正貸金業法が完全施行されたことでグレーゾーン金利が撤廃され、それ以降の取り引きに関しては過払い金が発生していない可能性が高いのです。

取引期間が長い場合も過払い金の時効には注意

ただし、過払い金が発生していても時効を迎えたことで返還請求ができないケースもあります。

過払い金の返還請求ができるのは最後の取り引きから10年以内です。

それを過ぎてしまうと過払い金が時効を迎えます。

例えば、2010年以前からずっと取り引きが続いている場合は時効になりません。

その一方で、過払い金があったとしても、借金を完済してから取り引きのないまま10年以上が経っていると時効になっている可能性が高いです。

取引期間を忘れてしまった場合の対処法

もし取引期間を忘れてしまったなら「自身の信用情報を確認する」、または「専門家に調査を依頼する」という方法があります。

貸金業者や銀行などの金融機関は信用情報機関に加盟しています。

自身の信用情報については、個人でも開示手続きをすることで閲覧可能です。

開示手続きに手数料はかかってしまうものも、過払い金を取り戻せる可能性があるなら検討しても良いでしょう。

そして、もう1つが専門家に依頼する方法です。

本当に過払い金があるのか、いくら過払い金が発生しているかは、借り入れのあった業者から取引履歴を取り寄せて調べます。

過払い金の案件を扱っている法律事務所で相談してみてください。

過払い金を取り戻すまでにかかる期間

それでは、本題の過払い金を取り戻すまでにかかる期間について説明していきます。

過払い金の返還にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

あくまでも目安ですがスムーズに手続きが進めば3ヶ月〜6ヶ月ほど、時間がかかる場合は1年程度になります。

前述の通り、どのくらいの期間がかかるかは人によって違い、一律に◯ヶ月や◯年などとは決まっていません。

また、過払い金の請求は自身で行うこともできますが、その場合は専門家に依頼するよりも時間がかかるでしょう。

過払い金請求を自分で行う場合

専門家の力を借りずに自分自身で過払い金を請求する場合、取り戻すまでには少なくても半年以上の期間を要するでしょう。

過払い金を取り戻すためには取引履歴を調べ、引き直し計算という方法で正しい金額を計算する必要があります。

引き直し計算などはどうしても素人では難しいため、自分自身で計算しようとすれば時間がかかるのです。

また、過払い金は請求すれば、すぐに返ってくるものではありません。

貸金業者との和解交渉、場合によっても裁判で争うことにもなります。

自身で手続きをすれば費用を浮かすことはできるものの、その手間を考えたら弁護士や司法書士といった専門家に依頼するのが現実的です。

過払い金請求を弁護士・司法書士に依頼する場合

過払い金の請求を弁護士や司法書士に依頼する場合、面倒な手続きや、難しい計算、交渉を専門家が代行してくれます。

専門家に依頼する費用はかかりますが、過払い金を取り戻すまでの期間は個人での手続きよりも短くなるでしょう。

取引履歴の調査、過払い金の計算、業者との和解交渉がスムーズにいけば3ヶ月ほどで手続きは完了します。

過払い金請求で裁判をする場合は取り戻せるまでの期間が長くなる

過払い金を取り戻すまでの期間が長くなるケースの1つは、和解交渉が上手くいかず、裁判になる場合です。

通常、取引履歴を取り寄せるなどの調査は1ヶ月〜3ヶ月程度で完了します。

その後、業者と過払い金の返還に関する任意交渉をするのですが、過払い金の有無や金額などで折り合わなければ裁判で争うことになるのです。

任意交渉による過払い金請求を行った場合の期間

任意交渉の段階で和解できれば、3ヶ月前後で過払い金は取り戻せるでしょう。

取引履歴が開示されるまでの期間にもよりますが、その後、引き直し計算をしたり、返還を求める書類を作成したりするのにさほど時間はかかりません。

任意交渉がスムーズにいくかにも左右されるものの、早ければ3ヶ月、遅くても6ヶ月くらいが目安になります。

裁判による過払い金請求を行った場合の期間

任意交渉が上手くいかなかった場合、裁判で争うことになるため過払い金を取り戻すまでの期間は長くなります。

裁判所を通して過払い金の返還を争うため、どうしても手間も時間もかかるのです。

この場合、早くても半年、時間がかかるケースは1年以上になるでしょう。

次章では、少しでも早く過払い金を取り戻すためのポイントを説明するので、期間を短縮したい方はそちらも参考にしてください。

早く過払い金を取り戻すための3つのポイント

過払い金を取り戻すまでの期間を短くするためには次のようなポイントがあります。

  • 過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼する
  • 貸金業者と任意交渉で和解する
  • 少額訴訟を行う

それぞれの方法について以下で詳しく説明していきます。

①過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼する

法律の知識がない素人が過払い金の返還請求をしようと思うとかなりの期間がかかります。

おそらく、過払い金の返還請求をするために取引履歴を調べたり、引き直し計算をしたりする段階でつまずくでしょう。

その後の業者との交渉も返還されるまでの期間、返還される金額などに影響するため、基本的には過払い金請求に強い弁護士や司法書士に依頼すると良いです。

借金問題に強い事務所なら、ノウハウも交渉力もあるため手続きがスムーズで、スピーディに過払い金を取り戻せる可能性が高くなります。

②貸金業者と任意交渉で和解する

裁判になるとどうしても期間を要するため、できるだけ任意交渉で和解することもポイントになります。

任意交渉から裁判に移行するのは、過払い金の返還条件で合意できないケースです。

過払い金満額の返還を目指すなら裁判も止むを得ないでしょうが、ある程度のところで妥協することも必要になるでしょう。

ただし、基本的には訴訟で過払い金の返還を争った方が、取り戻せる金額は増えることが多いです。

多少金額で妥協しても短期間で手続きを終わらせるのか、時間をかけても過払い金の返還率を上げるのかを判断しなければいけないこともあるのです。

③少額訴訟を行う

過払い金の金額が60万円以下の場合、少額訴訟を利用するという方法もあります。

訴訟にはなりますが、原則として1回の審理で判決が出るためとてもスピーディです。

民事訴訟のうち,60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。即時解決を目指すため,証拠書類や証人は,審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。

裁判所HP 少額訴訟より引用

すべてのケースで利用できる制度ではありませんが、過払い金の金額が比較的少額なときは検討しても良いでしょう。

過払い金の返還請求にかかる期間は3ヶ月〜1年程度!専門家に相談するとスムーズ

過払い金を取り戻すまでにかかる期間の目安は、3ヶ月〜1年程度です。

業者が協力的か、任意交渉での和解に応じてくれるかなどにも期間は左右されますが、過払い金に強い専門家に相談することも重要になります。

ノウハウを活かしスピーディーに対応してくれますし、交渉力があるので個人で手続きをするよりも確実です。

過払い金の返還には時効もあるため、まずは弁護士や司法書士などの専門家に相談してみるのはどうでしょうか。

時効を迎えた過払い金は取り戻せないので、完済してから期間が空いている方は注意してください。