これまでにアコムは何度かカードローンの金利を変更していますが、以前は利息制限法を超える金利だったので過払い金が発生している可能性があります。
昔、アコムのカードローンを契約していたという人は、過払い金請求をすることで払い過ぎていたお金が戻ってくるのです。
ただし、そもそも過払い金が発生していない人も、過払い金はあったのに取り戻せない人もいるので注意してください。
アコムから過払い金を取り戻せる条件について説明します。
もくじ
アコムの過払い金請求ができる条件

アコムから過払い金が戻ってくるには、次のような条件があります。
【アコムの過払い金請求ができる条件】
- 法律(利息制限法)で決められている以上の金利でお金を借りていた
- 過払い金を請求できる権利が失われていない
これらの条件をクリアしているなら、アコムから過払い金を取り戻せる可能性が高いです。
アコムの過払い金が発生する仕組み
そもそも過払い金とは、本来は支払う必要のなかった利息のことをいいます。
以前は利息制限法と出資法という2つの法律が、それぞれ異なる金利の上限を定めていました。
この利息制限法と出資法の間の金利帯をグレーゾーン金利といい、この金利でお金を借りていたなら過払い金が発生しています。(現在は法律が改正されてグレーゾーン金利はありません。)
現在は以下の利息制限法に従って利率が決められていますが、もし過去に年18.0%を超える金利でカードローンを契約していた記憶があるなら、それはグレーゾーン金利だった可能性が高いです。
借入金額 | 金利の上限 |
10万円未満 | 年20%まで |
10万円〜100万円未満 | 年18%まで |
100万円以上 | 年15%まで |
アコムで過払い金が発生している可能性がある時期
アコムが金利の上限を変更したのは、2007年6月18日です。
それまでは最大で年27.375%の金利でお金を貸していましたが、法改正が決まったことを受けて過払い金が発生しないように金利を下げました。
もし2007年6月以前にアコムでお金を借りていたなら、本来は払わなくて良い利息を払っていた可能性が高いです。
過払い金として、払い過ぎた利息を取り戻せます。
ただ、過払い金は一定期間が経過すると、取り戻せなくなってしまうので注意してください。
次にアコムから過払い金を取り戻すのが難しいケースについて見ていきましょう。
アコムから過払い金取り戻すことが難しいケースってある?
アコムで過払い金が発生していても、次のどちらかの場合は取り戻せなくなってしまうので要注意です。
【アコムから過払い金を取り戻すことが難しいケース】
- 時効が成立した場合
- アコムが倒産した場合
特に時効が成立して、過払い金の請求ができなくなるケースは多いため気をつけてください。
時効が成立してアコムから過払い金が取り戻せなくなる
過払い金の請求ができるのは、最後の取り引きから10年が経過するまでです。
この期間が経過してしまうと過払い金は時効になり、たとえ高額な過払い金が発生していたとしても取り戻すことができません。
もし10年以上前に完済していているなら、最後の取り引きから10年が経過しているでしょう。
ただし、10年以上前の借り入れでも、まだ返済をしているなら取り引きは継続中です。
最後の取り引きがいつだったか分からない人は、法律事務所に相談をして過払い金の有無を調査してもらってください。
アコムが倒産してしまい過払い金が取り戻せなくなる
今のところ経営が危ないといった噂は聞きませんが、アコムが倒産してしまうと過払い金は戻ってこなくなります。
過去には武富士という消費者金融が倒産した事例もあるので、可能性はゼロでないと思ってください。
また、先ほど説明したように時効を迎えても過払い金は戻ってこなくなります。
アコムで過払い金があるなら早めに弁護士などの専門家に相談してください。
アコムの過払い金請求をする前にチェック!過払い金請求のデメリット・注意点

「過払い金の条件も大丈夫そうだし、さっそく手続きしよう!」と思った方も、少しだけアコムへの過払い金請求を待ってください。
実は、過払い金請求にはデメリット、注意すべきこともあります。
そのデメリットや注意点を知らずに請求を行ってしまうと後悔するかもしれません。
アコムへ返済中だとブラックリストに載る場合がある
まず、アコムのカードローンがまだ返済中だという方は要注意です。
カードローンの返済中に過払い金を請求すると、信用情報がブラックになることがあります。
基本的に過払い金の請求では信用情報に傷がつきませんが、返済中の場合、過払い金の金額よりも借入残高が多いと信用情報に傷がつくのです。
例えば、借入残高が60万円の場合、100万円の過払い金が戻ってくるとすると、その内の60万円は返済に充てられて、残りの40万円が手元に戻ってきます。
このようなケースなら信用情報へ影響しません。
しかし、過払い金を差し引いても借入残高がある場合は、信用情報がブラックになるのです。
アコム「マスターカード」でのショッピングの支払いが残っていないか
カードローンを返済中のケースと似ていますが、アコムのクレジットカード「ACマスターカード」でショッピングの支払いが残っている場合も注意が必要です。
過払い金はショッピングの支払いに充てられてしまい、それでも利用残高があると信用情報に傷がつきます。
クレジットカードも利用から支払いまでに1ヶ月〜2ヶ月程度のラグがあるので、ACマスターカードを使っている人は利用残高を確認しておきましょう。
DCキャッシュワンからの借り入れがあるか
アコムは2009年にDCキャッシュワンを吸収合併していて、融資に関する事業はアコムに統合されました。
もしDCキャッシュワンから借りたお金を返済中なら、アコムから戻ってくる過払い金はDCキャッシュワンへの返済にも充てられます。
そして、過払い金を充てても借入残高があると、信用情報に傷がつくのです。
ちなみに、DCキャッシュワンは以前から利息制限法の範囲内で融資をしていたので、過払い金は発生していません。
アコムが保証会社になっている銀行から借り入れしていないか
アコムは自社でカードローンやクレジットカードを取り扱う以外にも、銀行カードローンなどの保証会社もしています。
そして、その銀行カードローンの支払いに遅れが出た場合は、契約者に代わって借入残高を銀行に支払うことがあるのです。
このようなケースでは債権をアコムが持っていて、アコムに請求した過払い金が銀行カードローンの返済に充てられてしまう可能性もあります。
アコムが保証会社になっているローン商品を利用中の方は注意してください。
アコムから過払い金が取り戻せるまでにどれくらい?
アコムから過払い金を取り戻すのには数ヶ月の期間がかかります。
「過払い金なんだから早く返してよ!」と思うかもしれませんが、だいたい3ヶ月〜6ヶ月前後はかかるでしょう。
特に過払い金を取り戻すのに裁判をする場合は、裁判外の話し合いで解決するよりも時間がかかるので注意してください。
話し合いで和解した場合(任意交渉)
アコムとの話し合いで和解して、過払い金の返還を認めてもらう場合は、3ヶ月前後の期間がかかります。
裁判をしない分、過払い金が戻ってくるまで早めですが、裁判をするよりも戻ってくる金額は減るかもしれません。
過払い金の内の何割が戻ってくるかを「返還率」といい、任意交渉は80%前後が目安です。
「早く戻ってくるなら、80%で妥協できる」という方は任意交渉で進めていくと良いでしょう。
裁判をした場合
最初から裁判で過払い金を請求する場合、任意交渉でまとまらず裁判に移行する場合は、6ヶ月前後の期間はかかると思ってください。
ただ、時間がかかる分、返還率は100%前後と任意交渉よりも多くの金額が戻ってくる可能性が高いです。
裁判をする場合は弁護士などの専門家へ払う報酬が高くなることもあるので、時間をかけて全額を取り戻すべきかもよく専門家と相談すると良いでしょう。
アコムで過払い金があるなら早めに請求!時効になると戻ってこないので注意
アコムで2007年より前にお金を借りていた方は、過払い金が発生している可能性が高いです。
アコムとの最後の取り引きから10年が経つと時効になって取り戻せなくなるので、心当たりがある人は早めに返還請求の手続きをしましょう。
ただし、アコムのカードローンやクレジットカードを利用中の方、アコムに吸収合併されたDCキャッシュワン、アコムが保証会社の銀行カードローンなどの利用残高がある人は注意してください。
アコムに過払い金を請求すると、まずはそれらの残高に充てられて、それでも残高があると信用情報に傷がつきます。
過払い金が少額な場合は、むしろデメリットが大きいケースもあるので、いくらの過払い金があるのかなどを弁護士や司法書士などの専門家に調べてもらってください。