自己破産すると抱えている借金の返済義務がなくなり、どんなに高額な借金であっても返済が免除されます。

しかし、ここまで大きなメリットがあるのですから、「デメリットもたくさんあるんでしょ?」と思いますよね。

実は、ネット上で噂されている自己破産のデメリットについては間違った情報も多いので注意してください。

この記事では、自己破産するとどうなるのかについて、生活への影響、家族・会社への影響に分けてまとめました。

もくじ

自己破産をしたときのメリット・デメリット

まずは、簡単に自己破産するとどのようなメリット、デメリットがあるのかを説明していきます。

メリット

自己破産最大のメリットは、借金を返済しなくてよくなることです。

自己破産は裁判所に申し立てるのですが、裁判所はその申し立てが妥当かを審議します。

裁判所が「借金を返す必要がない」と認めることを「免責許可」といい、この免責許可を受けることで借金は帳消しになるのです。

自己破産の主なデメリット

自己破産でよく知られているデメリットは次の2点だと思います。

  • 生活に必要最低限なもの以外は処分される
  • 信用情報がブラックになる

自己破産を裁判所が認めると借金はなくなりますが、生活に必要最低限なもの以外は処分されることになります。

そして、処分してできたお金は債権者へ公平に分配されるのです。

また、自己破産は信用情報にも登録されます。

自己破産は最長10年記録が残るので、その間はローンを組む、クレジットカードを利用するなどができなくなるでしょう。

主な自己破産のデメリットはこの2点ですが、細かく見ていくと生活、家族・社会への影響はまだまだあります。

次章では自己破産するとその後どうなるのかについてより細かく見ていきます。

自己破産するとその後はどうなるのか?

自己破産するとその後の生活には様々な影響が出ますが、冒頭でもいったように「自己破産すると◯◯できない」という噂には間違った情報もあります。

そのような噂も含めて、自己破産するとどうなるのかについて「生活への影響」、「家族・会社への影響」に分けて解説します。

生活への影響

はじめに自己破産した場合の生活への影響を見ていきましょう。

借金はどうなるのか?

前述の通り、自己破産をすると借金はなくなり、返済からは免れます。

ただし、正確には自己破産の申し立てをしただけではなく、免責許可を受ける必要があります。

つまり、免責許可を受けられないケースもあるということです。

「免責不許可事由」というものに該当すると免責許可が出ない可能性があるので、詳しくは弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

奨学金はどうなるのか?

学生時代に奨学金を借りていたという人も多いと思います。

自己破産すれば奨学金も返さなくてよくなりますが、注意したいのは保証人・連帯保証人です。

自己破産で返済義務が免除されるのは本人だけなので、自己破産すると保証人・連帯保証人へ奨学金の請求が行きます。

養育費はどうなるのか?

養育費を支払っている場合、自己破産してもその支払い義務はなくなりません。

養育費や税金などは「非免責債権」に該当します。

簡単にいえば、「自己破産をして免責許可を受けても支払う必要があるもの」なのです。

借り入れ(ローン)、クレジットカードを作ることができなくなるのか?

自己破産をした場合、その記録が信用情報に登録されます。

その記録が最長10年登録され、その間はローンを組んだり、クレジットカードを作ったりはできません。

審査に通すかどうかは金融機関の判断次第ですが、しばらくは利用できないと思った方がよいでしょう。

貸金業者からの取り立てはどうなるのか?

自己破産の手続きに弁護士が着手すると貸金業者からの取り立てはストップします。

弁護士は債権者に対して受任通知を送り、自己破産の手続きの開始を知らせます。

これにより弁護士が窓口になるため、貸金業者は債務者への直接的な取り立てができなくなるのです。

貸金業者から訴えられている裁判はどうなるの?

前述の受任通知でストップするのは取り立てだけで、自己破産の申し立てをする前なら訴訟は起こせます。

ですが、裁判所での自己破産の手続きが開始されれば、すでに開始されていた裁判も中断されるので安心してください。

すべての財産を処分されてしまうのか?

よくある勘違いですが、自己破産をしてもすべての財産が処分されるわけではありません。

自己破産は生活の再建が目的でもあるので、生活に必要な最低限のものは残せるのです。

自己破産しても残せる財産を「自由財産」といいます。

自由財産には法律で差し押さえが禁止されているもの(差押禁止財産)、破産後に手に入れた財産(新得財産)、99万円以下の現金などが含まれています。

何を自由財産とするかは管轄の裁判所によって判断が分かれる場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

預金を解約されてしまうのか?

自己破産しても99万円以下の現金は残せるといいましたが、預金は現金に含まれません。

そのため、預金があれば解約されてしまいます。

ただし、東京地裁では、合計20万円以下の預金については自由財産とするという運用をしています。

先ほどの自由財産の話に戻りますが、管轄の裁判所の運用を確認した方がよいでしょう。

選挙権もなくなってしまうのか?

自己破産をしても選挙権がなくなることはありません。

投票することも、選挙に出ること(被選挙権)もできます。

引っ越しをすることができなくなるのか?

引っ越しはできますが、裁判所の許可が必要になります。

ですが、裁判所の許可なく引っ越せないのは、自己破産の手続きを開始してから、免責許可が決定するまでです。

免責後なら自由に引っ越せますし、手続き中もしっかりと申請すれば拒否されることはありません。

出張や旅行をすることができなくなるのか?

出張や旅行についても引っ越しと同様です。

自己破産の手続き中の場合、2泊以上の出張や旅行は裁判所の許可が必要になります。

事前に許可を得て、出張や旅行中も連絡がつく状態なら問題ありません。

携帯電話・スマートフォンも解約されるのか?

携帯電話・スマートフォンの解約については、ケースバイケースです。

例えば、携帯料金の支払いに問題がないなら、自己破産しても携帯電話・スマートフォンが解約されることはありません。

しかし、通信料・通話料を滞納していたり、分割で払っていた端末代金が未払いになっていたりすると解約や利用停止になるでしょう。

保証人にはどのような影響があるのか?

自己破産で返済義務がなくなるのは本人だけなので、保証人・連帯保証人がいる場合、そちらへ請求が行くことになります。

迷惑をかけることになるため、事前に自己破産することを伝えるべきでしょう。

生活保護を受けている場合はどうなるのか?

生活保護を受けていても自己破産は可能です。

また、自己破産したからといって、生活保護の給付がストップすることもありません。

もう一度自己破産することができなくなるのか?

自己破産後、また借金を作ってしまうこともあるでしょう。

自己破産は回数の制限がなく、制度上は2回、3回とできます。

ただし、前回の免責から7年が経過していない場合、前回と同じ理由での自己破産の場合は、基本的に免責されないので覚えておいてください。

家族・会社への影響

次に自己破産した場合の家族・会社への影響を見ていきましょう。

給料の差押えはどうなるのか?

自己破産をする段階で給料の差押えを受けている人もいるでしょう。

自己破産の手続きが開始されれば差押えは解除されるため、全額を本人が受け取れるようになります。

家を借りることができなくなるのか?

自己破産後も賃貸契約は問題なく行えます。

不動産屋、賃貸仲介業者などは信用情報機関の会員ではありません。

そのため、そもそも自己破産したということはバレないのです。

ただし、賃貸契約で信用情報機関に加盟している信販会社が保証会社になるケースは注意してください。

その場合は、自己破産しているという記録が確認されるため、保証を受けられず賃貸契約を結べない可能性が高いです。

所有している持ち家はどうなるのか?

持ち家などの不動産も自己破産をすると処分されます。

不動産としての価値がほぼないようなケースなどでは処分されない可能性もゼロではないものの、基本的に持ち家は処分されるので、引っ越しをする必要があるのです。

賃借している賃貸の借家・借地はどうなるのか?

自己破産しても借家や借地へ直接的な影響はありませんが、その敷金や保証金は換価処分の対象です。

だから、それらを債権者への返済に充てるために、賃貸借契約が解除されるケースもあります。

ただし、自己破産を理由に貸主が契約解除することはないので安心してください。

所有している自動車はどうなるのか?

自動車も財産なので、自己破産をすると処分されます。

また、ディーラーローンなどで所有権がディーラー側にあるなら引き上げられてしまうでしょう。

古い自動車で価値が一定以下というケースでは換価処分の対象にならないこともありますが、少なくてもローンがないことが前提です。

加入している生命保険などはどうなるのか?

加入している生命保険に解約返戻金がある場合、自己破産をすると、その保険は解約されてしまう可能性が高いです。

また、裁判所によっては一定額以下なら解約の必要がないケースもあるので、保険の内容、解約返戻金の額をチェックしましょう。

退職金はどうなるのか?

あまり知られていませんが、まだ貰っていない退職金も財産に含まれます。

破産手続きを開始する段階で退職したという仮定で、退職金の額が計算されるのです。

その金額が基準となり、退職金の一部は没収されることになります。

年金はどうなるのか?

年金は差押禁止財産の1つです。

そのため、自己破産したとしても年金は通常通り受給できます。

就けなくなる職業があるのか?

自己破産をすると就けない職業があるのは事実ですが、引っ越し、旅行などと同様に一時的な制限です。

例えば、自己破産の手続き中は、警備員、弁護士などの士業の資格が制限されます。

一時的な制限ではありますが、該当する方は注意してください。

官報に掲載されてしまうのか?

官報とは国の発行する新聞のようなもので、自己破産をすると破産者の氏名、住所などが掲載されます。

「周りにバレてしまう!」と思うかもしれませんが、一般の方が官報を見るケースは稀です。

そのため、官報に掲載されるからといって、近所の人に知られることはないでしょう。

勤務先に知られてしまうのか?

自己破産の手続きの中で、裁判所などから勤務先へ連絡が行くことは基本的にありません。

例外は、勤務先も債権者である場合、退職金などの調査で必要な場合などです。

また、不当解雇になるため、自己破産を理由に会社を辞めさせられることもありません。

個人事業・自営業は廃業しなければならないのか?

自己破産をしても個人事業・自営業は継続できます。

財産を処分された結果、事業を継続できずに廃業するケースはあるでしょうが、そうでないなら事業をこれまで通り続けることができます。

「自己破産するとどうなる?」という疑問は弁護士に相談を!

自己破産するとどうなるのかについて様々な観点から見てきました。

借金がなくなるというメリットは大きいですが、デメリットも多く、家族や周りに何かしらの影響が出ることもあるでしょう。

人によって置かれている状況は違うので、「〜の場合はどうなるの?」といった疑問はまだまだあると思います。

そんなときは、思い切って弁護士に自己破産の相談をしてはどうでしょうか?

現状から自己破産が適切なのか、どのようなデメリットが考えられるのかを相談者の状況に応じてアドバイスしてくれるはずです。

無料相談をしている弁護士事務所もあるので、気軽に相談してみてください。